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相続?なにそれ、おいしいの?・・・52.(最終回)遺留分と相続廃除と家督相続

みんな~ 遺留分のお兄さんだよ♪

 

|ω・) ソーッ  皆様こんばんわ、あるいはこんにちは。

 

本日5月14日と言えば、ブログ開設6か月目の節目でもあります。ネタ切れの危機と常に隣合わせの毎日更新ですが、ブログ村参戦以来、まあまあ順調に育ってきています。日頃よりの応援に感謝したいと思います。

 

では、本題に入りましょう。「遺留分」というのは、相続におけるいわゆる「最低保障」のような意味合いを持つものですが、以下に7つの基本型をまとめています。これを覚えてしまうと、あとは応用が効きやすくなりますので、この際是非覚えて下さい。法定相続についてもある程度同時に覚えることができます。

 

中でも重要なのは、法定相続の優先順位です。これは遺留分についても同じことが言えます。以下、ほかにも覚えておいて頂きたいことを列挙します。

 

①優先順位

第0位(このような用語は有りませんが、筆者が説明の便宜上考案しました)

配偶者(離婚・死別は除外)が存在すれば、その人は常に相続人となります。ゆえに最強。つまり第0位です。

第1位 

直系卑属(子・孫・曽孫)

第2位

直系尊属(父母・祖父母)・・・ただし、第1位の直系卑属が不存在でない限り、法定相続での出番はありません。遺留分も同様です。

第3位

兄弟姉妹・・・第1位の直系卑属、第2位の直系尊属の両方が不存在でない限り、法定相続での出番はありません。さらに、何故か民法では遺留分も認められていません。

 

Q 「なぜ兄弟姉妹に遺留分がないのか?」

私は、昔の家制度の影響が残っているものと考えています。昔ながらの考え方でいけば、長男が家督相続し、次男以降は分家を作る、もしくは男子の居ない他家に養子に入る。女子ならば、稀有なケースとして婿取りをして、女当主になることも有ったでしょうが、大多数は他家に嫁入りし、その家の家計に編入されることになります。ゆえに、このように兄弟姉妹それぞれが独立した生計を構えているならば、遺留分を設けてまで保護する必要はないと言う価値観を現代に引きずっているものと思われます。

Q 「尊属にも遺留分は必要ないのでは?」

これも私見ですが、子の養育のために親は多額の育成費用を投下します。その一部であっても、親に回収させることによって、先立ってしまった子を養育した労をねぎらうような、いわゆる「論功行賞」的な意味合いがあると考えます。また、回収した遺留分を他の子の子、すなわち孫たちに対する教育援助等という形で贈与。つまり「再投資」の意義もあるのではないかと思います。

 

②相続廃除・欠格

もとは、家督相続の時代(明治民法時代)に、家督を継がせるのにふさわしくない、放蕩息子やドラ息子などの人物を、相続からはじき出す役割がありました。これが、以前の回で出ましたが「相続的協同関係の破壊法理」として論拠を備える形となって、現代に受け継がれたものと考えられます。ただし、あくまでも廃除・欠格となった人物が悪いのであって、その子には罪はありませんので、代襲相続させることは悪くはない。そういう配慮も見えます。

 

相続放棄した際に代襲相続できないのはなぜ?

「遺産は要らない」と相続人自らの意思で放り出すのが放棄ですから、この時点で放棄した人は相続人の資格も遺留分も喪失します。代襲相続というのは「貰えるものなら貰いたのに・・・」というケースにおける救済のような意味合いの物ですので、ハナから「要らない」ものを無理に代襲させる必要はないと言うことです。

 

相続放棄被相続人の生存中にはできないが、遺留分事前放棄は出来る。

一見矛盾しているように見えますが、現行法下で家督相続のようなことをやりたい時に、道を残しておいたのではないかと思われるフシがあります。遺留分を生前に放棄させておけば、あとは「遺言」で遺産を与えない旨を宣言するだけで良い。そのかわり、なにがしかの金銭を先に贈与して文句を言わせない・・・などの手法です。なお、遺留分事前放棄をするにあたって、家庭裁判所の審判を受ける必要があります。

 

 

 

最後に、外国のことはあまり関係ないかも知れませんが、英国にはそもそも「遺留分」がなかったりします。遺産の一部から「家族給付」を支給するという、似た制度はありますが、遺族の生活水準と、受けられる社会保障とのバランスによって減額されたりすることもあります。

 

また、ドイツでは卑属と相続が競合する場合、尊属の遺留分はありません。また、配偶者の遺留分についても、そもそも配偶者の法定相続割合が日本よりも低いため(配偶者+卑属での相続。配偶者は日本1/2:ドイツ1/4)結果的に遺留分の割合も低く設定されています。また、フランスでは、卑属が居ない場合にのみ、配偶者は1/4の遺留分を有するだけにとどまり、尊属の遺留分は規定されていません。

 

ドイツ・フランスともに、日本のような、配偶者についての内助の功、父母についての「養育費と養育の手間」といった「論功行賞型」の配分ではなく、卑属つまり将来世代に遺留分を多く残そうという「未来志向型」の配分となっています。こうして外国との比較を通して、古今東西の「価値観」の違いを探ってみるのもなかなか面白いものです。

 

以上、52回にわたったこのシリーズはこれにて一旦終了となります。いかがでしたか?少しでもお役に立つ知識の提供は出来たでしょうか? もしそうであれば、これほど有難いことはございません。予定はまだ決まっていませんが、次シリーズでは、あまり触れて来なかった親族法の基礎から解説したいと思いますので、その節はよろしくご愛顧ください。長々とお付き合い・・・ありがとうございました!

 

 

それではまた。失礼しました。

|彡. サッ!! 

 

 

 

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