|ω・) ソーッ 皆様こんばんわ、あるいはこんにちは。
前回記事(前編)の続きとなります。
まずお断りしておきますが、本当に身寄りがなくて、お金もないという方は行政を利用してください。そういう時のための行政でもありますので。
ここでは、なにがしかのお金が残っているのに、それを使用できずに、税金から出すしかないという状況を防ぐための、個人としての工夫。そのための方法を考えてみます。
では・・・。
「はー。どっこいしょっと・・・」
「あらあら。お爺ちゃん座り込んでしまいましたね。手に持ってるのは、プロテインバー?」
「アンタの話、長うなりそうやからな。長期戦覚悟の腹ごしらえや」
そうですか、では遠慮なくw
色々とネットで調べてみたら、大体というか、ざっくりとした必要金額が見えてきました。どうやら以下が相場の価格のようです。
火葬(直葬):20~30万円
特殊清掃:5~10万円
合祀墓:3万円~
海洋散骨:5万円~
これをまとめると(-ω-;)ウーン。50万あればギリいける感じですかね?
「ほう? 150万ならお釣りがくるな。残った部分は、全部国庫に差し上げることにするわ」
ただ、それだけ残しても、実際に葬祭をしてくれる自治体が、スッと預金を引き出せない仕組みなんですね、現状は。だから読売の記者も「制度の変革が必要」と書いてるわけです。社説:独居者の弔い 時代に即した制度が必要だ : 読売新聞
更に言うなら、シンプルに葬祭費だけで済むかと言えば、そうでもない。
戸籍謄本なんかを当たって、相続人の不存在確認調査を請け負うのが、弁護士だったり、手前味噌で恐縮ですが、我々行政書士も出来ますけど、正直言って、金にならない案件を受けたがらない弁護士も多いみたいです。だから、必然的に報酬が高止まりして硬直化しやすいんですね。
それというのも、弁護士が仕事の依頼を受けるか蹴るかは、その人の自由裁量で認められているんです。ところが、行政書士は入って来た依頼を、余程の事情がなければ蹴ることは許されていません。だから、お爺ちゃんのような人には、行政書士の方が使い勝手がいいかもしれませんね。
具体的には、「自筆証書遺言」を残しておくこと。これがひとつの方法です。例えば遺言書の中にこう書いておく・・・佐兵衛調の古めかしい文体でGO!
一:我が葬祭に関しては、別紙・財産目録に記載の〇〇銀行××支店の普通口座No1234567より捻出することとし、上限50万円を目安に、必要最小限の葬儀に留むるべし。
一:仮に相続人あるいは特別縁故者が判明したる場合に於いても、その者に与ふる遺産はないものと定め、葬儀ならびに遺言執行に必要な経費を控除したる後の残余額については、国庫に帰属させるものとす。
一:遺言執行者には△△氏を指名し、葬儀の手配ならびに、相続人調査、その他必要な死後事務を委任するものとし、財産総額2%相当の報酬を与ふるものとす。
・・・・・・こんな感じでしょうかね。
ちなみに、遺言執行者ですが、未成年や破産した人以外(民法1009条)であれば、誰を選任しても法律上はOKです。でも、しっかりした人や法人を選ぶ方が無難でしょうね。そういう問題に取り組むNPO法人や、安い案件も大歓迎の士業とか、場合によっては、葬儀屋さんが、事業の一環、サービスの一環として、死後事務の委任を受けてくれることもあるようです。
ちなみに、自治体を遺言執行者に指名することは、現在の運用上できません。というか、引き受けてくれません。遺言執行はお上の仕事ではない。というのが定説になっているようです。ここも将来的には、制度設計が変更になるかも知れませんが・・・。その時には既得権益層がやっきになって反対しそう。一筋縄ではいかないかも知れません。
さらに、これはもうウルトラC級のウラ技ですが、遺言執行者に残余額を遺贈することもできます。遺言執行者=受遺者という図式もOKなんです。死後事務を頼みたい人が、よほど気に入ってしまった場合には、そういうのも別に違法ではないようです。
ちなみに、遺言執行者の報酬ですが、財産総額の1~3%が相場と言われているみたいですよ。
国庫に帰属と言う部分は、放っておいても自動的に手続きが進んでいくので、要らないかも知れませんが、敢えて書いておくことで、故人の「意思の強さ」を表明する効果は生み出せそうです。
「なるほど、ワシみたいな者も遺言書は書いといたほうがええ?」
「そうですね。その方がいいかも。書いた遺言書を法務局にもって行くと、ずっとそこで預かってくれるので安心ですよ。初回に手数料4000円ほど取られますけど、これで安心が買えるんです」
最後にしょうもない蘊蓄をひとつだけ。
葬祭費用について、誰の負担とすべきか? 大きく分けて三つの有力説があります。
1.喪主が全額負担すべき(喪主負担説)
2.相続人間で分担すべき(相続人分担説)
3.相続財産から出すべき(相続財産負担説)
以上の3つです。お爺ちゃんの場合は1.と2.の説は使えませんから、必然的に3.の相続財産負担説を採用することになります。自治体が葬儀を肩代わりしたあと、故人の預金から充当する。というのは、相続財産負担説が根拠になってると思います。
残念なことに、死後事務委任や遺言執行者と言った制度ですが、現状は金持ちしか使えない。貧乏人は使いづらい・・・という現実もあります。廉価で請け負える人が増えるなど、そういった政策も必要なのではないかと思います。
それではまた。
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