|ω・) ソーッ
皆様こんばんわ、あるいはこんにちは。スケキヨです。ずっと寝不足気味です。毎朝5時くらいに、ちびのすけ(黒猫♂2歳)が「飯食わせー」と騒ぎだし、シカトしていると、窓から腹にフライングボディーアタックを食らわせてきます。強制起床させられます。スケキヨです。スケキヨです・・・・・・。
「さて・・・と」
「あれれ? お爺ちゃん、もうお帰りで?」
「まあ、いろんな話も聞けたしな」
「ちょっと待った。ついでに、ドリフじゃないけど、”もしものコーナー”も聞いてみません? どうせあっちに帰っても暇でしょ?」
「・・・しゃあないな。もう一話付き合ったるわ。で? なんの話なん?」
「熟慮期間ってやつですね」
「なに! ジュクジ・・・・・・?」
「はい。ストップ! それ以上言ったら違う方向に話がそれますからね!」
熟慮期間というのは、簡単に言うと「相続しよっかな? 放棄しよっかな?」とじっくり悩むために与えられた猶予期間のようなものです。例えば、お爺ちゃんの知らないところで異母兄弟が居て、その人が亡くなり、相続人調査の結果、お爺ちゃんの存在が浮上してきた。お爺ちゃんの存在を知った弁護士などから、「相続の通知」が送られてくることがあります。
「・・・このまえの話の蒸し返しかいな? だからワシにはそんなんおらんちゅうの!」
「いえいえ、だから”もしものコーナー”です。さて、お爺ちゃん。この通知を受けたとしたら、あなたはどうします?」
「・・・もらえるもんなら有難く頂いとくか」
(ФωФ)フフフ・・・ さて、ではこれを・・・
これで大体の時系列はイメージできると思います。通知を受けた日、つまりお爺ちゃんが「相続が開始したこと」を知ってから3か月が熟慮期間とされています。もしここで「相続します!!」と飛びついたらどうなるか? 狙い通り遺産があれば「(゚д゚)ウマー」 ですが、Yさんがお爺ちゃんと同じような境遇で、しかも10万円しか残していなくて、自治体による葬儀が20万円かかったとすると、差額の10万円が「負の相続」としてお爺ちゃんに被ってくることになります。さらに、消費者金融に100万円の借金が残っていたとしたら・・・?
「マイナス110万円かい? 恐ろしいな・・・」
それが相続。プラスもマイナスもひっくるめて引き継ぐものです。プラマイどっち? どうも借金の方が多そう・・・。という時には「相続放棄」を家庭裁判所に申し出るほうが無難そうです。あと、これは過去の回で触れた事なんですが、最終奥義「魔法の相続」を使う手もありますね。
「魔法ってなんや?」
つまり、限定承認です。「プラマイどっちに転ぶか分からへんけど、プラスが出た時だけ頂きますわ」という、都合のいい相続手法ですね。相続人が明らかにお爺ちゃん一人だけ、という時にはすごく使いやすい手ですね。ちなみに、この熟慮期間中になにもアクションを起こさなかった場合、承認(単純承認・・・プラスマイナス全てを受け入れて相続する)と見做されます。
ただ、万が一ほかに相続人(共同相続人)が居た場合は、その人の同意を取り付けて、相続人全員で限定承認しないといけない。ここがちょと使いづらい所ではあります。
「通知」をしてきた弁護士等に「ほかに相続人は居ないか?」などと、探りを入れてもいいのでしょうが、大抵は「調査中ですので・・・」と言葉を濁される方が多いと思います。ある程度の歳になったら、面倒ですが、自分の出生まで遡って戸籍を一通り集めておいて「予習」しておくのもいいですね。本籍地を転々としてない人は、そんなに苦労はないと思いますが・・・。
私ごとですが、母が2020年に亡くなった時は大変でしたね。今でこそ行政書士試験に合格して、開業登録して、大学でも勉強して、ある程度わかるようにはなりましたが、その当時はド素人。結局、加古川・神戸・宮崎・鹿児島と、計4か所から戸籍謄本や原戸籍を取り寄せて、なんとか自力で手続きを完遂させました。今となってはいい経験だったと思います。限定承認とは関係ないけど。
「なるほど、アンタも大変やったんやな・・・」
ありがとうございます。で、お爺ちゃん。消費者金融の「借金払って下さい」という督促状ですが、わざと、それからわざとではないケースも含めて、相続開始3か月を徒過させてから送ってくる業者も居たりしますから要注意ですよ。
ある遺族が諸々の事情を見るからに、明らかに「借金なんて無い」と確信して遺産分割をやっちゃいました。そのあとになって「督促状」が来るケースもあります。この場合だと、優に3か月は過ぎていますので、支払に応じなければならない・・・。と思いがちですが、そうでもないんです。
最高裁昭和59年4月27日判決が代表的な判例なんですが、この判例では「借金の存在の通知」を受けた日を以って、新たに熟慮期間がスタートしたと判定されています。パニックになってドタドタするまま払ってしまう前に、弁護士に相談。弁護士費用がちょっとという人は「法テラス」に相談を持ちこめば、ある程度教えてくれることもあるようです。以上、持てる範囲の知識内で色々語ってみました。いかがでしたか? お爺ちゃん。
「まあ。生きとるうちに色々知っとったほうが、何かと得やった。ちゅうことやな?」
「まあそんなところですね・・・」
そうして、お爺ちゃんは満足げに黄泉の国へとお帰りになったそうな・・・。
おわり。
次回はいよいよシリーズ第一期最終回です。卒論研究で究めた遺留分の話について、思い切り趣味の世界に走ってお話したいと思います。場合によっては5000字を超える大作になるかもしれませんが、その際は宜しくお付き合いください。
それではまた。失礼いたしました。
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